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ラボでやろう。

分子模型は直観的に構造を理解することに有用です。複雑な構造を持ったタンパク質の分子模型を手軽に印刷し、研究に役立てる日が来ることを目指してブログを開始しました。※2013年9月現在、ほぼその製法を確立出来つつあります。もし自分の研究室でも、と考えていらっしゃる方は、まず川上までご連絡ください。

ポリゴンエラーについて。

さて、3Dプリンタを買いました。ここに書かれているようにして3Dデータを作りました。
印刷しようと3Dプリンタのドライバソフトに読み込んでみたら…
UP!の場合、ポリゴンエラー(赤く表示)が出ませんでしたか?
Cubeの場合は特に何も出ません。しかし、マニュアルにはHealボタンを押すことを推奨されているでしょう。
Loadボタンの横にデンと、Healボタンがありますよね。

たいていの場合、pdbviewerで出力したstlやvrml(meshlabなどでstlに変換)は、そのままでは
印刷に適さないのです。

ええっと驚かれるかもしれませんが、これは、分子ビューワーが、特段3Dプリンターでの使用を前提とした、3Dデータの出力を想定していないからです。

どういうことかというと、ボール&スティック表示を考えましょう。
ビューワは、その言葉の通り、ボール状のオブジェクトと、スティック状(細長い円柱)のオブジェクトを発生させて描画しています。3Dデータの吐き出し時も、このまま、ボールと、スティックを出力します。
ボールとスティックの接点はどうなっているでしょうか。ボールの中にスティックが突き刺さっていませんか?
二つのオブジェクトが重なっています。
別のビューワでは、ひょっとしたらスティック部分は、円柱ではなくて、ただの円筒で表示されているかもしれません。そのまま出力するとどうなるでしょう。厚みゼロの円筒がボールに突き刺さっています。
ボールに完全に突き刺さっているなら、まだ救いが有ります。これが中途半端に刺さっていた場合、円筒の刺さりきれなかった部分に、円筒の内部が見えてしまうような隙間が出来たとします。
こうなると大変です。厚みゼロの円筒オブジェクト、これは3Dプリンタでは再現できない形状です。
先ほどの円柱とボールが重なって刺さっている場合も、エラーとして認識される場合が多いです。単にオブジェクトを重ねているだけでは、それは造形可能な3D物体として認識されないことが多いのです。

リボンモデルの場合、良くできたビューワはβストランドの終わり部分と、続くループ部分のつなぎ目を、うまく処理して描画し、また3Dデータも出力してくれます。あるビューワはそこで不連続な部分が見つかることがあります。急に曲がる角度のついた構造で頻発する場合もあります。

このように、現在のビューワには、3Dデータとしての完成度を考えずに、単に「見えていればいいよね」というCGの概念に沿った描画法のものしかありません(仕方ありません、当時は3Dプリンタの使用を想定していないのですから)。

現在執筆中の本にも書きましたが、今後、3Dプリンタでの印刷を想定した描画形式、3Dデータ出力形式のビューワが開発されるべきです。そうなると、今書いている内容はもう意識をする必要なくなります。

長々と書きましたが、たいていの場合そのまま印刷は出来ませんよ、というのを頭に入れておいてください。

ではどうするか、は次回に。

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  1. 2013/11/18(月) 22:08:29|
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